介護職の離職率って本当に高いの?現場20年の経験から見たホンネ

介護職Q&A

はじめに

「介護職ってすぐ辞めちゃう人が多いんでしょ?」

就職や転職を考えている人から、よく聞かれる言葉です。

たしかに、介護の現場では「離職率が高い」と言われることが多く、ニュースやネット記事でもよく取り上げられます。でも、数字だけでは見えてこない「続けられる理由」や「辞めたくなる理由」も、実はたくさんあるんです。

今回は、介護の現場で20年以上働いてきた僕・たけのこが、リアルな視点から“離職率のウラ側”をお話しします。

介護職の離職率って、実際どのくらい?

厚生労働省が毎年行っている「介護労働実態調査(令和4年度)」によると、介護職員全体の離職率は14.8%となっています。
これだけ見ると「高いな…」と思うかもしれませんが、実は全産業平均の離職率は約15%前後
つまり、介護業界だけが極端に高いわけではないんです。

ただし、介護の現場では「新しく入った人が早めに辞めてしまう」傾向が強いのも事実。
仕事の内容や人間関係、体力的な負担など、初めての方には想像しにくい難しさがあるのも理由の一つです。

でも、すべての職場がそうというわけではありません。
実際には、職員同士のフォロー体制がしっかりしていて、離職率がとても低い施設もたくさんあります。
僕の働くユニット型特養でも、ここ数年は新しい人がしっかり定着してくれていて、長く働くスタッフが増えています。

結局のところ、「どんな施設で、どんな人たちと働くか」が大事なんですよね。

どうして辞めたくなっちゃうの?現場でよく聞く声

介護の仕事を始めてみたけど、「思っていたより大変だった」「続けられるかな…」と感じる人もいます。
ここでは、実際に現場でよく聞く「辞めたくなる理由」をいくつかご紹介します。

① 人間関係がうまくいかない

チームで動くことが多い介護現場では、人間関係がうまくいくかどうかがとても重要。
ギスギスした雰囲気の中では、どんな仕事でも長く続けるのは難しいですよね。

② 体力的にきつい

利用者さんの移乗介助や夜勤など、体を使う場面が多い仕事です。
ただ、最近では福祉用具の導入が進んでいて、負担を軽くしてくれる場面も増えています。
リフトやスライディングボードなどを使えば、力に自信がなくても安全に介助できます。

③ 給与や待遇に不満がある

処遇改善が進んできているとはいえ、仕事内容とのバランスに不満を持つ人もいます。
ただ、資格を取れば昇給があるなど、ステップアップの道も開けています。

④ 夜勤がつらい

夜勤明けの疲れや、生活リズムの乱れが負担になることもあります。
でも、夜勤に慣れると「日中に自由な時間が取れる」というメリットもあります。

じゃあ、どうしたら続けられる?たけのこのアドバイス

① 相談できる人を見つけよう

不安なことや悩みをひとりで抱えず、気軽に話せる仲間がいるだけで心の負担はぐっと減ります。
そして、もうひとつ大事なのがチームケアの意識
困ったときに「助けて」と言える職場づくりが、長く働けるカギです。

② 自分に合った職場を選ぶ

特養、老健、グループホーム、訪問介護…同じ介護でも、環境はそれぞれ。
自分の性格や働き方に合う場所を探すことが、無理せず働けるポイントです。

③ 完璧を目指さなくていい

「今日はうまくいかなかったな…」という日があっても大丈夫。
大切なのは、少しずつ自分のペースで成長していくことです。

④ 気分転換を大事にしよう

僕の場合は登山。自然の中で呼吸するだけで、心が軽くなります。
趣味でも、家族との時間でも、「自分をリセットできる時間」があると、介護の仕事も続けやすくなります。

「辞めたい」と思ったときにこそ、読んでほしいこと

辞めるのは悪いことじゃない

体や心が限界なら、辞めるという選択もアリです。
無理に続けて壊れてしまっては元も子もありません。

環境を変えるだけで変わることもある

職場が変わっただけで「また介護が好きになれた」という人、僕の周りにもたくさんいます。

話すことで楽になることもある

信頼できる人に話すだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
「ちょっと聞いてくれる?」と声を出すことも、大切な力です。

たけのこのひとこと:離職率の数字だけにとらわれないで

「離職率が高いから…」と介護職を避けるのは、ちょっともったいないと思います。

大事なのは、“自分に合った場所”と“仲間”に出会えるかどうか。

介護は、人と人が支え合う仕事。
一緒に働く人や環境によって、働きやすさはガラッと変わります。

僕もここまで続けてこられたのは、いい仲間と出会えたからこそ。
今、悩んでいるあなたにも、きっと“あなたに合った職場”があると信じています。

数字にとらわれすぎず、あなたらしく働ける道を、ぜひ見つけてください。

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