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介護の現場で役立つ豆知識
介護の現場では、ある日突然「○○さん、熱があるかも!」という声が上がることがあります。
新人職員の多くが、最初はどう対応していいかわからず戸惑うものです。
発熱や感染症は、単なる体調不良では済まないこともあります。
対応を間違えると他の利用者さんや職員にも影響を及ぼすため、正確で落ち着いた対応が求められます。
この記事では、新人職員が現場で実際に学んできた「発熱・感染症対応」の基本的なポイントを紹介します。
これから介護の仕事を始める方や、現場で不安を感じている方の参考になれば幸いです。
1. 「熱があるかも?」と思ったら、まず確認すること
- 体温計で測るだけでなく、顔色や普段との違いも観察
- バイタル(体温・脈拍・血圧・呼吸)を落ち着いて測定
- 呼吸の状態を確認(肩で息をしている、呼吸が速いなど)
- パルスオキシメーターでSpO₂(酸素の状態)もチェック
- 記録はすぐにメモ。あとで忘れるより先に書く
- 夜勤中など看護師がいない時間はオンコール体制
- 明らかな違いがあればすぐオンコール、迷ったら他夜勤スタッフに相談
- 慌てるとミスの原因に。落ち着いて行動することが一番
- 看護師とは軽くでも連携。気づきを伝えるのが大切
発熱が確認されたときの基本的な流れ
- 体温・バイタル・症状を落ち着いて記録
- 水分が取れているか・食欲はあるか確認
- 脱水や体調悪化がないか観察を続ける
- 看護師や上司に報告・相談
- 看護師や医師の指示が出るまで、無理な動きは控え、安静にしてもらう
※感染症の可能性がある場合は、感染対策の基本に従って動きましょう。
👉 より詳しい対応フローは以下の記事で紹介しています:
発熱時の対応マニュアル|落ち着いて動けるチェックリスト(準備中)
2. 感染症が疑われるときの初期対応
感染症とは、ウイルスや細菌が体に入り込んで起こる病気のこと。
高齢者は特に重症化しやすく、他の利用者さんや職員にもうつる可能性があるため、正しい初期対応が大切です。
- マスク・手袋を装着(自分を守り、感染を広げないため)
- 動線(人の動きや触る場所)に注意して広げない
- 感染が疑われる場合は必ず他職員や看護師と情報共有
- 施設にあるマニュアルを確認して動く
3. 利用者さんに多い感染症と、そのサイン
- インフルエンザ:急な高熱、関節の痛み、だるさ
- ノロウイルス:急な嘔吐・下痢。感染力が非常に強い
- 肺炎:咳・痰・呼吸が浅い・SpO₂低下に注意
- 尿路感染症:発熱・尿の濁り・臭い・排尿時の痛み
- 新型コロナ:発熱・咳・倦怠感・嗅覚異常。症状が軽くても注意
ポイント:「いつもと違う」を見逃さないことが最初の一歩!
4. 現場でできる感染予防の工夫
- 手洗いの基本:指の間・親指・手首までしっかり
- 「1ケア1手洗い」:利用者ごとに手を洗う意識が大切
- 手袋・マスク:正しく外す、使い捨て後は手洗いまでセット
- 換気・消毒:タイミングを決めて意識的に行う
- 自分の体調管理も予防のうち:無理せず、体温測定を習慣に
- 脱水予防:高齢者は脱水しやすいが、水分制限が必要な方も。状況に応じた判断が介護士の腕の見せどころ
5. 医療との連携が必要な場面とは
- 明らかな体調不良・高熱・バイタル異常があったときはすぐ報告
- 判断に迷ったら、まずは看護師や夜勤スタッフに相談
- 感染が疑われるとき、医師への連絡や受診が必要なケースも
- 夜間はオンコール体制。明らかな変化があれば遠慮せず連絡
大事なのは「判断」ではなく「気づき」。
違和感を覚えたら、それを伝える勇気が大事です。
📘 たけのこの一言
「小さな気づきを見逃さない」ことが、介護士としての第一歩だと思います。
はじめは迷うことも多いけど、焦らず・落ち着いて・相談しながら対応すれば大丈夫。
利用者さんも、あなたの“気づき”や“声かけ”にちゃんと安心してくれますよ🍀
📘 ストーリーで感じる介護の現場
新人介護士・八琉木みなぎの成長を描いた
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