介護の仕事では、利用者さんのちょっとした変化にいち早く気づく「観察力」と、それを他のスタッフに正しく伝える「記録力」がとても大切です。
「何を見て、どう書けばいいのか分からない…」
そんな新人さんの悩みに応えるべく、現場歴20年以上の私たけのこが、押さえておきたい観察と記録の基本をやさしく解説します!
✅ 観察のポイント
● いつもと違うに気づく
利用者さんの“普段”を知っているからこそ、「あれ?今日はちょっと元気がないな」などの変化に気づけます。
体調、表情、声のトーン、しぐさ、歩き方、食欲、排泄など、観察するポイントはたくさん!
💡「なんとなくおかしい」も立派な気づき。迷わず共有しよう!
● バイタルだけじゃない 〜たけのこ流・もう一歩踏み込む観察〜
バイタル(体温・血圧・脈拍など)はもちろん大切ですが、それ以外の「主観的な変化」も非常に重要です。
- 目がうつろ
- 言葉が少ない
- 声に元気がない
- 姿勢が崩れてきた などなど
こうした“なんとなく違和感”を見逃さず、バイタルともう一つでも変化があれば、たけのこはすぐに報告するようにしています。
💡たとえば「バイタルはOKでも、表情が険しい」「血圧が少し高めで、動作もぎこちない」――
そんな“2つの変化”に気づくことが、早期対応につながるのです。
👉ちょっとしたことを報告するのは、恥ずかしいことじゃありません。
本当に恥ずかしいのは、“あとから気づくこと”です。
あなたの気づきが、誰かの命や安心につながるかもしれません。
だからこそ「どうしようかな?」と思ったときほど、声に出して伝えていきましょう。
● “たまに見る人”が気づくこともある
いつも見ていると「慣れ」で見落としてしまう変化もあります。
たまに現場に来た看護師さんや他部署の職員が「○○さん、なんか今日は違うね」と気づいてくれることも。
その一言をスルーせず、「ありがとう、ちょっと注意してみるね」と受け止められる“心の広さ”も、観察力のひとつです。
💡他人の目も大事にしよう。“気づける目”は多いほど安心!
さらに大切なのがご家族からの声。
「最近、表情が暗く感じる」「前より元気がない気がする」――
そんな何気ない一言が、異変の早期発見につながることもあります。
👉たけのこは、ご家族の気づきは“必ず”チーム内で共有・報告するようにしています。
ご家族の思いに丁寧に向き合うことは、信頼関係づくりの第一歩でもあります。
✅ 記録のポイント
● まずは「今どきの記録スタイル」も知っておこう
現在、多くの介護施設ではタブレットやパソコンを使った記録が主流です。
システムに沿って文字を入力するスタイルなので、スマホで文字入力ができる程度のスキルがあればOK。
ただし、まれに手書きの記録を行っている施設もあります。
「え、まだ手書きなの!?」と思うかもしれませんが、紙の良さもあるんですよ。
施設によって方法は違うので、就職前に確認しておくと安心です。
● 事実と主観を分けよう
記録において大切なのは「事実ベース」。
「〜のようだった」「〜と思った」などの推測はNGです。
OK例:「14:00 トイレ内で転倒。臀部を打撲。痛み訴えなし。」
NG例:「たぶんトイレに行こうとして転んだと思う」
● 5W1Hを意識しよう
「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって(どんな様子で)」
これを意識するだけで、他のスタッフにも伝わりやすい記録になります。
● 誰が見てもわかる記録を
「伝える」ことが目的なので、自分にしか分からない表現は避けましょう。
夜勤者、日勤者、他職種も読むかもしれません。
簡潔で明確に、他の人が読んでも状況がイメージできるように意識してみてください。
● 記録とは「明細書」みたいなもの
たけのこは、記録は“介護の明細書”のようなものだと考えています。
どんなに丁寧に介護をしても、それが記録に残っていなければ、
「そのケアをしたこと」にはならないのが現場のルール。
👉書かない=やっていない、と思われても仕方がない。
だからこそ、記録は「ただのメモ」ではなく、大切な仕事の一部なんです。
ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、記録はあなたの“頑張りを残す証拠”でもあります。
丁寧に、でも恐れずに、ひとつずつ覚えていけば大丈夫です。
🍀たけのこの一言
記録は「その人を守る力」にもなります。
「小さな気づき」も書き残しておくことで、次の人がすぐに対応できたり、大きな事故を防げることもあります。
みんなでつなぐ“安心のバトン”、大事にしていきましょう!
📘 ストーリーで感じる介護の現場
新人介護士・八琉木みなぎの成長を描いた
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