はじめに(新人の視点)
「バイタル取ってきてね」と言われて、最初はちょっと緊張しました。体温や血圧って、ただ測るだけじゃなくて“異常に気づく”ことも大事なんだと、現場で先輩から学びました。
このページでは、新人の私が現場で経験したことをもとに、バイタルサインの測り方と観察ポイント、そして「どんな数値が異常なのか?」についてもまとめています。
バイタルサインを測る前に ― 声かけが基本!
どのバイタルサインを測るときも、「いきなり触らない・測らない」が大原則。測定前には必ずひと声かけます。
「体温を測りますね」
「ちょっと腕をお借りします」
「血圧を測りますので失礼します」
この声かけひとつで利用者さんの安心感がまったく違うことを、現場で実感しました。無言で測るのはNG!と教えてくれた先輩の言葉は今でも忘れません。
バイタルサインとは?
バイタルサイン=命のサイン。介護の現場でよく見るのはこの4つです。
- 体温
- 血圧
- 脈拍
- 呼吸数
施設によってはSpO₂(酸素飽和度)も測定します。
体温の測り方とポイント
- どうやるの?
最近は「おでこでピッと測れる体温計」もありますが、施設では脇の下で測るタイプが主流です。なぜなら、脇で測るほうが体の内部の温度に近くて正確だからです。 - 先輩に言われたこと
「おでこのやつは楽だけど、微妙な熱には気づきにくいよ」 - 私が気をつけてること
脇の下にしっかり差し込んで、測定中は動かないように声かけします。「あれ、なんかおかしい?」と思ったら、もう一度測り直すようにしています。 - 誤差もあるんだと知った
一度だけ39℃って出たのに、測り直したら36.8℃で「えっ!?」ってなったことが…。看護師さんに聞いたら、「接触がうまくいってなかったり、センサーのズレもあるよ」と教えてくれました。
血圧の測り方とポイント
- どうやるの?
上腕(じょうわん)にカフ(帯)を巻いて、電動血圧計で測定します。最近は手首にはめるタイプもありますが、基本は上腕の方が正確とされています。 - 先輩に言われたこと
「手首のタイプは楽だけど、測る位置や姿勢でけっこうブレやすいから注意してね」 - 私がやってみて思ったこと
最初はカフの巻き方がゆるすぎたり、きつすぎたりでうまく測れなかった…。でも、腕の高さを心臓と同じくらいにするといいと教わって、そこも意識するようにしています。 - 気をつけたいこと(機械の誤差・左右差・シャント)
機械で測る以上、多少の誤差が出ることもあります。数値が明らかにおかしいと感じたときは、左右の腕で測り直すこともあります。また、まれにシャント手術(透析など)の影響で片腕に血圧測定ができない方もいるので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
脈拍の測り方とポイント
- どうやるの?
血圧計で自動的に出ることが多いですが、手首(橈骨動脈)で指を当てて測る練習もしました。 - 私が感じたポイント
数だけじゃなくて、リズムがバラつくときがある。それも記録だけじゃなくて、報告する勇気が大切だと先輩に言われました。
呼吸数の測り方とポイント
- どうやるの?
胸やお腹の動きを1分間見て、呼吸の回数を数えます。本人に気づかれないように、話しかけずに自然に見るのがコツ。 - 意外と難しい!
途中で話しかけられたり、動かれたりすると数え直し…。でも、慣れてくると「浅いな」「ちょっと速いな」って変化にも気づけるようになりました。
よくある異常値の目安と注意点
※あくまで「目安」です。普段の平常値と比べて判断します。
バイタル項目 | 異常の目安 | 注意点 |
---|---|---|
体温 | 37.5℃以上(発熱) 35.5℃以下(低体温) | 感染症の兆候かも。寒がってる? |
血圧 | 上が140以上 / 下が90以上(高血圧) 上が90未満 / 下が60未満(低血圧) | ふらつき・立ちくらみの有無 |
脈拍 | 100回/分以上(頻脈) 50回/分以下(徐脈) | 不整脈がないか注意 |
呼吸数 | 24回/分以上(頻呼吸) 12回/分未満(徐呼吸) | 息苦しそうなら要報告 |
たけのこ流ひとこと
最初は「この数値って大丈夫なのかな?」って迷うこともあるよね。
でも、「何かおかしい気がする…」って思ったら、それだけで“気づけてる”証拠です。
判断に迷ったら、すぐに先輩や看護師さんに声をかけよう!
まとめ
バイタルサインは、利用者さんの体の“今”を知る大事なヒント。数値をただ記録するだけじゃなく、「いつもと違う」を感じ取れるようになりたいです。新人の私でも、少しずつ慣れてきたら、きっとできるようになる。そう信じて、これからも頑張ります!
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