夜勤の時間は、利用者さんにとってもスタッフにとっても特別な時間。
日中とは違うリスクが潜んでいて、特に注意したいのが「夜間せん妄」「転倒」「体調急変」です。
今回は、夜勤中に押さえておきたい3つのポイントについて、現場目線でわかりやすくまとめます。
1.夜間せん妄への対応
夜間は環境の変化や不安感からせん妄が起こりやすくなります。
せん妄とは、急に混乱したり、幻覚を見たり、落ち着きがなくなる状態のことです。
特に夜間は、静かで暗い環境が不安をあおり、せん妄を引き起こすことがあります。
✅ 対応のポイント
- 大きな声を出さず、落ち着いたトーンで声をかける
- 室内を真っ暗にせず、適度に明かりをつけて安心感を与える
- 利用者さんの不安な気持ちに寄り添い、否定しない
- 必要に応じてナースコール対応や付き添いを検討する
焦らず、ゆっくりとした対応が安心感につながります。
2.転倒リスクの高い方の見守り
夜間は転倒リスクが高くなる時間帯です。
暗さや眠気、せん妄による判断力低下が原因で、思わぬ事故が起きることがあります。
✅ 注意したい行動パターン
- ふらつきながら歩こうとする
- ベッドから一人で降りようとする
- トイレや水分を求めて動き出す
✅ 転倒予防のポイント
- ベッド周りを整理し、つまずきの原因をなくす
- 離床センサーやベッド柵を適切に使用する
- ナースコールは必ず手の届く位置に設置する
- 巡回を定期的に行い、動きやすい時間帯(22時、2時、5時など)には特に注意する
⚡ センサーへの過度な信頼はしない
- センサーはあくまで「補助」です。
- 反応が遅れる・反応しない場合もあるため、実際に目で確認することが大切。
- 「センサーが鳴っていない=安心」とは限りません。
✅ もし転倒してしまったら
- まず利用者さんに動かないよう声をかける
- 頭部、腰、手首など怪我の有無を落ち着いて観察する
- 一人で抱え込まず、他の夜勤者にも応援を要請する
- 無理に動かさず、必ず記録・報告を行う
- 必要であれば、看護師や救急対応を速やかに依頼する
転倒対応は一人で抱えず、チームで安全に動くことが大切です。
3.呼吸状態やバイタルチェック
夜間も体調の急変は起こりえます。
特に、呼吸状態やバイタルサイン(体温、血圧、脈拍)の変化には敏感になることが必要です。
✅ バイタルチェックのポイント
- 呼吸が浅くなっていないか、速すぎないか観察する
- パルスオキシメーターを活用して、SpO₂(血中酸素濃度)を確認する
(目安:正常なら96〜99%、低下があれば呼吸状態に注意) - 定時の体温測定・血圧測定を正確に行う
- 測定値に違和感がある場合は、必ず再測定する
(機械は万能ではないので、確認するクセをつける) - 少しでも異常を感じたら、すぐに看護師(またはオンコール)へ報告する
- 報告するか迷うときは、他の夜勤者に相談する
呼吸状態は、パルスオキシメーターの数値だけでなく、顔色、意識レベル、苦しそうな様子も合わせて観察しましょう。
ちょっと一言|夜勤一人体制について
夜勤中に一人で現場を見るのはとても不安ですよね。
でも、法律上は一人夜勤も認められています。
そのため、多くの施設では「2ユニット(約20人前後)を1人で見る」体制になっています。
※従来型(大きな施設)は、また別の配置基準が適用されます。
「一人=異常」ではないので、焦らず、チームワークを意識して乗り切りましょう!
まとめ|落ち着いて対応すれば大丈夫!
夜勤中は、せん妄、転倒、体調急変など、いろいろなリスクが潜んでいます。
ですが、事前に知識を持ち、落ち着いて対応することで、ほとんどのトラブルは最小限に抑えることができます。
焦らず、利用者さん一人ひとりに目を向けて、夜勤を乗り切りましょう。
🍀たけのこの一言
夜勤は不安もいっぱいだけど、少しずつ経験を積めば必ず自信につながります。
一人じゃないけん、大丈夫。ゆっくり、確実に歩いていきましょうね。
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