「介護の仕事を始めたばかりで、なんだか腰が重たい…」
「このままじゃ、そのうちギックリ腰になるんじゃ…」
そんな不安を感じていませんか?
介護の現場では、無理な体勢や力任せの動きが、知らず知らずのうちに体へ負担をかけてしまいます。
でも安心してください。
正しい体の使い方――「ボディメカニクス」を知ることで、あなた自身の体を守りながら、より安全なケアができるようになります。
さらに最近では、スライディングシートや介助ベルトなどの福祉用具を併用することで、体への負担をより少なくする方法も広まっています。
「ラクをすること=安全を守ること」――そんな意識を、あなたにも持ってほしいと思います。
この記事では、ボディメカニクスの基本と、現場での活かし方、そして福祉用具との併用についてもご紹介します。
新人さんにもすぐ実践できるコツも紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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🧠 ボディメカニクスとは?
ボディメカニクス(Body Mechanics)とは、「身体の構造や力学を理解し、効率よく・安全に体を動かすための技術」のことです。
たとえば、
– 重たい物を持ち上げるときに腰ではなく脚の力を使う
– 身体をねじらず、正面から向き合って介助する
– 利用者との距離を近くして自分の体を安定させる
といった動作も、すべてボディメカニクスの考え方に基づいています。
なぜ必要なの?
介護の現場では、一日を通して
– ベッド上での体位変換
– 車椅子への移乗
– 排泄や入浴などの介助
など、「人の体を支える」場面がたくさんあります。
そんな中で自己流の動き方をしていると、
・腰を痛める
・手首や肩を傷める
・膝や背中に慢性的な負担がかかる
といったケガにつながる恐れがあります。
ボディメカニクスを意識することで、
✅ 自分の体を守りながら
✅ 利用者さんにも安心・安定した介助を提供できる
それが、この考え方の最大のメリットです。
📘 ボディメカニクスの基本原則7つ
介護現場で体を守るには、「どう動くか」がとても大事です。
ここでは、現場で意識したいボディメカニクスの基本原則を7つにまとめました。
- ① 支持基底面を広く取る
足を肩幅以上に開き、安定した姿勢をつくる - ② 重心を低く保つ
ひざを軽く曲げて腰を落とすことで安定性アップ - ③ 体の近くで作業する
距離が遠いと余計な力が必要になるため、できるだけ近くで支える - ④ 体をねじらない
腰をひねるのではなく、体ごと向きを変える - ⑤ てこの原理を活かす
全部を持ち上げず、体重や利用者の力をうまく使う - ⑥ 大きな筋肉を使う
腕ではなく、太ももやおしりの筋肉で支える - ⑦ 動作前に声かけ・準備を整える
呼吸を合わせることでお互い安全に動ける
🛏 現場でどう使う?ボディメカニクスの実践例
① ベッド上での体位変換
- 失敗例:腕の力だけで動かす、腰をひねる
- 工夫:ベッドの高さを調整、足を開いて安定させ、自分の体重を使って動かす
② 車椅子への移乗介助
- 失敗例:中腰で引き上げる、距離をとったまま支える
- 工夫:正面・近距離で立つ、ひざを曲げて重心を落とし、呼吸を合わせて動く
③ オムツ交換時の姿勢
- 失敗例:反対側に手を伸ばす、腰を丸めた姿勢で作業
- 工夫:ベッドを高く、利用者の体を「抱えず転がす」ように動かす、スライディングシートなどを活用
🎥 動き方を“動画”で見たい方へ
「文章だけじゃイメージしにくいな…」という方には、動画で学べるサービス「ケアラル」もおすすめです。
実際の介助場面を、プロの動きでわかりやすく解説してくれます。
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💬 新人さんへ伝えたいこと
ボディメカニクスと聞くと、「なんだか難しそう…」「全部覚えなきゃいけないのかな…」と感じるかもしれません。
でも、最初から完璧にできる必要はありません。
まずは、
- ベッドの高さを調整してみる
- 腰を落としてみる
- 腕ではなく脚で支えることを意識する
といった「ちょっとした意識」から始めてみるだけで十分です。
慣れてくると、自然と体が「ラクな動き方」を覚えていきます。
“頑張りすぎない工夫”を覚えて、長く安全に働ける介護を目指しましょう。
🎍 たけのこの一言
「力を使うのが介護」じゃなくて、
「力を使わない工夫をするのが介護」って考えてみて。
今は福祉用具もたくさんあるので、力任せの介助はNGになりつつあります。
道具とうまく併用して、自分も相手も守れる介護を目指そう!
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